抑制棚で抵抗力が付いて丈夫になったかきは、今度は大きく成長するために筏に吊るされます。抑制棚に吊るしてあった時のホタテの貝殻の間隔(約1cm〜1.5cm)を1枚ずつ新しい針金に間隔を広めて(21cm〜24cm)移し替えて、筏に吊るす連(1本の針金に33〜40枚のホタテの殻、長さも約10m近くなります)を作ります。これを通し替えと呼んでいます。通し替えが済んだ連を1本ずつ筏に吊るしていきますが、夏の暑い時期なので作業もたいへんです。 またこの時期は水温も上がりますし、魚類による食害があるため養殖業者さんは神経をつかいます。1つの筏に700本前後の連を吊っていきます。1年以上かけてかきが大きく成長するのを待ちますが、台風が接近してきたり赤潮が発生したりと、神経の休まる時はありません。筏養殖といってもただかきが大きくなるのを待っているだけではない事が、お分かりいただけたと思います。
|